ナノファイバー構造のセルロース表面に、インクジェット技術を用いてセルラーゼ溶液を数十pL滴下すると、加水分解に伴って基板表面に凹みが形成される。研究代表者は、加水分解で生じる凹みの体積を3Dコンフォーカル顕微鏡を用いて精密に経時測定することにより、セルロースの酵素分解速度を超高感度に測定する手法を確立した。さらにゼラチンゲルを基質に用いて、プロテアーゼ活性を測定することにも成功した。酵素活性測定は反応生成物を定量するのが一般的である。本手法は、基質の加水分解に伴う体積変化を指標として酵素活性測定する新手法であり、これまで困難であった水に不溶な基質の酵素加水分解の高感度測定に広く応用可能である。
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