研究課題/領域番号 |
25850139
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人水産総合研究センター |
研究代表者 |
米加田 徹 独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所, 研究員 (40597944)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 魚病 / クドア / ヒラメ |
研究概要 |
クドア胞子のEST解析により、既知遺伝子と相同性を有する48遺伝子が認められた。伸長因子1αおよびヒートショックタンパク質90と推定された2つの遺伝子において、他の生物種の各遺伝子と分子系統解析を行ったところ、いずれも他生物種とは遠い位置に認められた。1×10^7乗個の胞子を精製後、超音波破砕し、19種類の酵素活性の有無を調査した。その結果、ロイシンアリルアミダーゼ、酸性フォスファーゼ、ナフトール-AS-BI-フォスフォヒドロラーゼの3酵素について陽性反応が認められた。精製クドア胞子の粗精製タンパク質をマウスに免疫し、ポリクローナル抗体を作製した。クドア感染ヒラメ筋肉組織の凍結切片を作製したポリクローナル抗体による免疫組織化学を試みたところ、クドア偽シストの検出を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
クドアの新規遺伝子情報を取得することに成功した。また、クドア胞子の19種類の酵素活性の有無を調べた結果、ロイシンアリルアミダーゼ、酸性フォスファターゼ、ナフトール-AS-BI-フォスフォヒドロラーゼの陽性反応が認められ、胞子の有する酵素活性を確認することができた。また、ポリクローナル抗体によるクドア偽シストの検出にも成功した。以上のように、本年度の目標の分子系統解析および性状試験による新規知見を得ることができ、さらに次年度に予定していた内容について前倒しで着手できたことから計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
クドア感染ヒラメの各組織において免疫組織化学によるクドアの検出を試み、シスト以外の寄生形態の検出を試みる。また同一個体内におけるクドア胞子の消長を確認するために経時的検出を行う。
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