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2013 年度 実施状況報告書

完全養殖技術を利用したウナギのクローン系統作出技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25850140
研究種目

若手研究(B)

研究機関独立行政法人水産総合研究センター

研究代表者

野村 和晴  独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所, 主任研究員 (90372044)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードニホンウナギ / UV精子 / Hertwig効果 / 第二極体放出阻止 / 染色体操作
研究概要

ウナギ精子を遺伝的に不活性化するための最適UV照射条件を明らかにするため、ホルモン投与により人為的に成熟させた雄ウナギより得た成熟精液をウナギ用人工精漿で50倍希釈し、親水化処理したシャーレに薄く均一に展開した後、シェーカーで振盪しながら紫外線強度が0~16,000 erg/mm2の範囲になるように殺菌灯を照射し、照射後の運動精子率を調べた。その結果、ウナギ精子はおよそ12,000 erg/mm2の紫外線強度において運動能を喪失することが明らかとなった。また、種々の紫外線強度でUVを照射したウナギ精子を用いて人工授精実験を実施したところ、ふ化率にはHertwig効果に類似した曲線が観察された。これらのふ化仔魚は、フローサイトメトリー分析の結果、通常二倍体の半量のゲノム量を有し、致死的奇形を呈した。精子運動率やふ化率、ふ化仔魚の倍数性調査、およびマイクロサテライトマーカーによる遺伝解析の結果より、1,400~2,800 erg/mm2がニホンウナギの雌性発生半数体を誘起するための最適なUV照射条件であることが明らかとなった。
次に、第二極体放出阻止によるゲノム倍加を可能にする低温処理条件について明らかにするため、ホルモン投与により人為的に成熟させた雌雄のウナギより得た成熟配偶子を用いて人工授精を行った後、受精後3~9分に、0~1℃に調温した海水に、10~40分間浸漬して低温処理を実施した。各処理群について、ふ化率や仔魚の倍数性を比較した結果、受精後3分に10分間処理した場合が最も効率的に染色体倍加が可能であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度計画していた内容について、概ね順調にデータが得られているため。

今後の研究の推進方策

第一卵割阻止によるゲノム倍加を可能にする低温処理条件について検討するとともに、得られた条件を基にUV精子による人工授精と受精後の低温処理による第二極体放出阻止あるいは第一卵割阻止による雌性発生二倍体の作出を試みる。また、得られたふ化仔魚についてフローサイトメトリー分析やマイクロサテライトDNAマーカーによる遺伝分析を行い、目的とする染色体操作の成否を確認する。

次年度の研究費の使用計画

計画では約80万円分の人件費を計上していたが、雇用期間が予定よりも短くて済んだため、その分の予算が余剰となった。
実験用のウナギ購入、フローサイトメトリー用試薬、DNA実験用試薬、統計解析用ソフトの購入におよそ200万円、人件費40万円、その他30万円の使用を計画している。

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公開日: 2015-05-28  

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