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2013 年度 実施状況報告書

水溶性タンパクを付加した新しい仔魚用人工飼料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25850141
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京海洋大学

研究代表者

芳賀 穣  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00432063)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード水溶性タンパク / 微粒子飼料 / 人工飼料
研究概要

ヒラメの成長および発育に及ぼす水溶性タンパク質の影響を検討するため、まず試験飼料に添加するタンパク質源の探索を行った。大量培養したシオミズツボワムシから水溶性タンパク質を抽出し、給餌試験に用いる水溶性タンパク質の確保をまず検討したものの、試験飼料を作成するのに十分な量の水溶性タンパク質を確保するには膨大なワムシが必要であり、実験の実施が困難であることが推定された。そこで、水溶性タンパク質が豊富に含まれる食品であるシラスに注目した。シラスの水溶性タンパクは加熱により変性に伴って減少すると考えられたので、シラスを加工して、シラス加熱ミールおよび非加熱ミールを各々作成し、これらを主なタンパク源とした試験飼料を作成した。試験飼料中の水溶性タンパク質含量は、シラス加熱ミールを配合した飼料よりも非加熱ミールを配合した飼料で約2倍程度高くなった。これらの試験飼料を全長5mmのヒラメ仔魚に25日間給餌し、対照区には、生物餌料のみを給餌した。その結果、成長や生残では生物餌料を給餌した対照区が配合飼料を給餌した2つの試験区よりも常に高かったものの、配合飼料区間では、孵化後35日目および40日目において非加熱シラスミール配合飼料を与えた魚で有意に大きくなった。孵化後20日目から40日目までのヒラメ仔魚の発育ステージ組成を調べてみると、発育ステージの進行速度は、おおむね生物餌料区>非加熱シラスミール配合飼料区>加熱シラスミール配合飼料区の順になり、加熱シラスミール配合飼料区よりも非加熱シラスミール配合飼料区のほうが発育ステージの進行が早いことが示唆された。また、孵化後20-40日目に消化管中の飼料の有無を調べると、6割以上の魚で配合飼料の摂餌が確認され、20日目以外では加熱シラスミール配合飼料区よりも非加熱シラスミール配合飼料区のほうが摂餌個体の割合が常に高かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた動物プランクトン中の水溶性たんぱく質の効果を検討することはできなかったが、水溶性タンパク源にシラスを選択し、一回目の飼育実験を行った。生残や成長は、生物餌料区よりも劣るものの、水溶性タンパクが多い非加熱シラスミール配合飼料区で成長が優れることを確認した。また、摂餌活性の増加や発育促進効果も示唆されている。

今後の研究の推進方策

一回目の飼育実験を行い、生物餌料区よりも劣るものの、ヒラメでは水溶性タンパクを豊富に含むシラスタンパクを添加した飼料の有効性を確認した。また、摂餌活性の増加や発育促進効果も示唆された。今後は、上記の結果に再現性があるか、また、これらの有効成分が水溶性たんぱく質にあるかを確認するため、試験飼料の作成と給餌試験による確認を行う必要がある。また、当初は動物プランクトン由来の水溶性タンパク源の探索なども行っていく必要がある。

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公開日: 2015-05-28  

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