研究課題
これまでに我々は、海水にポリアミンを添加し48時間静置すると、ポリアミンが空気中の二酸化炭素を溶液に溶かし込み、アラゴナイト結晶の炭酸カルシウムが生じることを見出している。このポリアミン存在下でおこる炭酸カルシウム形成反応に及ぼす影響を様々な物質で調べたところ、50 uMリン酸塩を添加した場合に石灰化が完全に阻害されることを見出した。そこで、前年度までに確立しているコユビミドリイシAcropora digitiferaの稚ポリプの骨格形成の観察法を用いて、リン酸塩の骨格形成に及ぼす影響を調べた。その結果、ポリアミン存在下で起こる石灰化反応と同じ濃度で稚ポリプ底面の骨格形成が完全に阻害された。さらに,前年度に化学合成したポリアミンの生合成阻害物質であるDFMOを20 uMの濃度で稚ポリプの培養液に添加したところ、底面の骨格形成を明らかに阻害した。これらの結果は、ポリアミンがサンゴの石灰化に寄与していることを示唆する。
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Marine Biotechnology
巻: 16 ページ: 465-474
10.1007/s10126-014-9566-z