マガキの養殖は、近年、地球環境変動に伴う高水温によりグリコーゲン蓄積開始が遅れている。秋の出荷初期にグリコーゲンの蓄積不十分な低品質なマガキが出現し、産業上大きな問題となっている。本研究では産業上重要なマガキのグリコーゲン蓄積のメカニズムについて分子生化学的手法を用いて解明しようと試みた。秋の出荷初期にグリコーゲンが蓄積されている個体と蓄積不十分な個体における遺伝子発現量を比較したところ、インスリン関連の遺伝子群の発現量に変化があることが分かった。さらにインスリン関連の遺伝子に着目して解析を続けたところ、マガキインスリンの新規遺伝子であることが分かった。
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