本研究は、農産物や食品の原料調達から消費に至る流通過程(フードシステム)において、競争の程度や価格の伝達の仕方がどのようなものになっているかについて、経済学と統計学の分析手法を用いて明らかにした。主な成果として、我が国の食品産業で2000年代前半から競争の程度が増加する傾向にあることや、ノンアルコールビールを含むビール系飲料のブランド間競争の程度をブランドごとに明らかにしたほか、TPP協定を含む将来の様々な貿易環境を想定し、フードシステムを通じた価格の伝達の仕方についてもシミュレーション分析を行い、我が国への影響を定量的に明らかにしたことなどが挙げられる。
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