研究課題/領域番号 |
25850153
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
清水池 義治 名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (30545215)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地理的表示制度 / ブランド・エクイティ / 認証規程 / 生産者組織 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本およびフランスを対象として、地理的表示制度の下で組織される生産者組織の実践によって、実現される製品ブランド・エクイティ(ブランドの持つ資産価値)の向上を通じて起こる地域空間ブランド・エクイティへの波及効果を解明することである。平成27年度の研究実績は以下の通りである。平成27年度は平成27年3月16日から同年9月23日まで育児休業を取得したため、研究実績は限定的である。 フランス(EU共通)の地理的表示制度であるPDO(Protected Designation of Origin)と日本の「地理的表示保護制度」、北海道A地域の地域ブランド認証制度を比較したところ、以下の点が明らかになった。PDOは、原料生産・加工・調整が全て同一地域内で行われており、かつ製品特性がその地域の特性を反映している証明が必要がある。日本の地理的表示保護制度は、原料生産・加工・調整が全て同一地域内で行われている必要は必ずしもなく、製品特性を決定づける工程が特定の地域内で行われ、かつその製品特性が地域の特性を反映している証明が必要がある。北海道A地域の地域ブランド認証制度は、主要原料生産・加工・調整がA地域内で行われていることが条件になっているが、その製品特性が地域の特性をどのように反映しているかの証明は求められていない。これらの違いは、制度が設立された目的の違いによるものと思われる。前2者は特殊な農林水産物に対する知的財産権の保証が目的で、そのために地域特性と製品品質との関係性の証明が重要だが、後1者は特定地域の農林水産品の販売促進が目的であるため、地域特性と製品品質との関係性の証明という高い基準を求めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までの達成度の評価を「やや遅れている」とした理由は、分析対象とする地理的表示制度についてフランスの事例に関する調査を実施できなかったためである。この理由は、平成27年3月16日から同年9月23日まで育児休業を取得したためである。これを受けて、科研費補助事業期間延長申請を行い、平成27年9月7日付で1年間の事業延長が承認された。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年3月16日から同年9月23日まで育児休業を取得したことを受けて、科研費補助事業期間延長申請を行い、平成27年9月7日付で1年間(平成29年3月まで)の事業延長が承認された。 平成28年度は、地理的表示制度の認証規程に関して「統一基準なし」の事例として北海道地域における地域ブランド認証制度および認証事業者の調査を実施する。また、認証規程に関して「地域性あり」「厳格」の事例として、フランスのアルプス地域のPDOチーズおよび地域自然公園制度にもとづく認証製品に関する調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年3月16日から平成27年9月23日まで育児休業を取得したため。
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次年度使用額の使用計画 |
育児休業取得に伴い、科研費事業期間の延長申請を行い、平成27年9月7日付で1年間の事業期間延長(平成29年3月まで)が承認された。 平成28年7月~8月にかけて、北海道地域におけるブランド認証制度と認証事業者に対する調査を行うとともに、平成28年9月と平成29年3月にフランスにおける同様の事例調査を実施する予定である。また、年度内に研究成果の論文投稿と学会報告を行う計画をしている。
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