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2016 年度 実績報告書

内生的な温暖化適応品種選択を内包する多地域動学的応用一般均衡分析:緑茶を事例に

研究課題

研究課題/領域番号 25850154
研究機関麗澤大学

研究代表者

阿久根 優子  麗澤大学, 経済学部, 准教授 (90363952)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードフードシステム / 品種多様化 / 応用一般均衡分析 / 地域経済
研究実績の概要

本研究の目的は、緑茶を対象に気候変動による農業、食料関連産業及び複数の地域経済への影響について、地域動学的応用一般均衡モデル(DCGEモデル)を用いて定量的に分析することである。
特に、本研究では緑茶生産での茶樹の品種多様性を気候変動への間接的適応策として位置づけて分析を行った。これは、生葉生産者による茶樹の品種選択は、自身あるいはその後工程にある荒茶生産での生産性上昇が主たる目的であり、気候変動を意識したものではないが、一方で一般的に品種多様性は気象条件の変化といった突発的な事象に対するリスク分散の効果をもつと考えるからである。
2016年度は、昨年度の品種多様化のシミュレーションを精査し、気象による影響下での品種多様性の地域の緑茶フードシステムと地域経済全体への影響について、緑茶の主産府県の7府県を関東(静岡県、埼玉県)、中部(三重県)、近畿(京都府)、九州(鹿児島県、福岡県及び宮崎県)の4地域に区分して分析を行った。まず、生葉の生産性は、気温や降水量等での異常気象で低下する一方で、品種多様性がその向上に貢献することを計量経済学的手法による分析を用いて確認した。次に、これらの結果を緑茶フードシステムを中心とした前述の4地域で構成されるDCGEモデルに導入し、異常気象が発生した場合、品種多様性が地域内だけでなく、中間財の荒茶で結びつく他地域の緑茶フードシステムでの生産や各地域の経済厚生の低下を軽減させていることが示された。
これらの結果は、生葉生産者による品種選択が地域の品種多様化につながった場合、それは緑茶フードシステムでの気候変動への間接的適応策となることを示している。特に、静岡県や鹿児島県のように、産業構造あるいは農業生産構造の中で緑茶生産が比較的大きな部分を占める産地で、品種多様性が持続可能な地域の緑茶フードシステムとともに地域経済全体に貢献することを示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Regional Economic Impact of the Diversification of Green Tea Cultivars: Using a Recursive Dynamic CGE model2016

    • 著者名/発表者名
      Yuko Akune
    • 学会等名
      14th Pacific Regional Science Conference Organisation
    • 発表場所
      タイ、バンコク
    • 年月日
      2016-06-27 – 2016-06-29
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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