本研究では、都市から農山村に向かう若者の田園回帰を捉え、若者移住の持続性と地域資源管理の担い手継承に与える影響について考察した。まず、持続性を担保する上で、地域側には、交流から協働、定住の段階へと、よそ者と地域住民とが関わるステージを重ねて、地域を開いていくプロセスが不可欠とされる。一方で、農山村の地域社会に初めて入り込む若者側には、まず地域住民と信頼関係を獲得し、ネットワークも構築できる地域サポート活動の積み上げとバランスが求められる。この若者たちは、自己実現と地域の課題解決の両立を目指す志向があり、彼らの仕事づくりに、どのように地域資源管理の担い手の要素が組み込まれるかが今後の焦点となる。
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