研究課題/領域番号 |
25850164
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
中島 正裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436675)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 農地保全 / 内発的発展 / 土地利用計画 / 耕作放棄地 / 計画手法 |
研究概要 |
「内発的農地保全の支援手法の構築」に向けて、2013年度は地域A(実践支援・社会実験)と地域B(先進地域の事例分析)において下記の(1)~(7)を実施した。 1.地域A:対象地として長野県富士見町(神戸地区)と群馬県みなかみ町「たくみの里」を選定し、調査と実践支援を実施した。(1)現地踏査による対象農地の一筆調査(たくみの里:125.9ha、1633筆、神戸地区は前年度に予備調査として実施済)を実施した。また、対象農地の全農地利用者へのヒアリング調査を実施した。調査項目は「世帯・営農状況」「農地所有・貸借」「一筆単位での農地利用の変化(過去10年間)」「獣害対策・被害状況」などに関する50項目である。(2)(1)の結果を用いてデータベースの作成(GIS)を行ない、耕作放棄地、管理のみ農地及び獣害の発生要因の解明、作付け農地の将来的課題を観光業との関連性も踏まえて検討した。(3)新たな担い手(I・Uターン者など)の定住・就農の経緯・条件、地区内で大規模に農地を借り受けている地元農家の営農実態などを解明し、さらに農地貸借の形態・プロセスなどを人的ネットワーク観点から分析した。(4)農地保全に対する地域の内発性を醸成していくため、(1)から(3)の結果を適宜使用しながら地域住民や行政職員を対象とした座談会や勉強会などを開催した。 2.地域B:(5)外部主体による地域資源管理の事例分析として、新潟県十日町の地域おこし協力隊を対象に、外来者・地元住民協働体制により6次産業化を基軸としたアグリビジネス指向型地域システムの実態(活動内容,ブランド化,組織構造,運営方法)と形成プロセスを解明した。また、(6)獣害対策関係の事例分析として滋賀県を対象に農業改良普及員による獣害対策の効果と課題を分析した。さらに、(7)学際研究のマネジメント手法に関してニューカッスル大学(英国)で意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域A(実践支援・社会実験)における年度末開催予定であった座談会が2014年の5月に延期となったが、それ以外の調査や実践支援は予定通り順調に終えることがきた。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の成果を踏まえて2年目も地域住民や行政職員との密な連携をとりながら、研究計画に沿って調査と実践支援を遂行していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた国内調査(富士見町)が一度、現地の諸事情(大雪など)により中止になったため。 昨年度中止となった国内調査(富士見町)を2014年5月30日に実施予定。
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