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2014 年度 実施状況報告書

次世代の循環型施設園芸を目指した竹破砕物による養液栽培培地の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25850168
研究機関弘前大学

研究代表者

丸居 篤  弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80412451)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード養液栽培培地 / 資源循環 / 保水性 / 消費水量 / 竹
研究実績の概要

放置竹林を解消あるいは利用するために,竹を高圧で破砕し,繊維質を残したスポンジ状の試料(以下,竹破砕物)を養液栽培の培地として利用し,竹材活用の新たな方法を開発することを目的としている.
①培地の固化による長期間の保水性,透水性の保持効果の検証
使用した試料は,熱処理を行い殺菌,固化させ,利用しやすくした竹破砕物(以下DB),ロックウール(以下RW),竹破砕物(以下CB)である.加圧板法,土柱法,変水位透水試験を行い,竹破砕物の水分特性曲線及び飽和透水係数を求めた結果,CB,DBとRWの飽和透水係数は0.08から0.29の範囲にありとほぼ同等の透水性であった.また,飽和状態での体積含水率はCBが最も高かったが,pF1.5から2.0までの水分量は,RWが21%,DBが17%,CBが7%となり,RWが最も大きい値を示した.竹破砕物の有効水分量は乾燥させたほうが高い値を示した.
②ポット栽培実験および現場での実証実験による生長量・水分消費特性の評価
冬季にハウス内において,109日間,イチゴ(章姫)のポット栽培実験を行った.栽培培地にはRW,CB,DBそれぞれ栽培ポットを3つずつ計9個用意した.測定項目として栽培期間中は質量,気温,日射量,葉面積,蒸散量,排水の成分分析,実験終了後は果実,葉,茎,根の生体質量,乾燥質量を測定した.果実に関しては,収量を測定した.その結果,乾燥させた竹破砕物は,葉面積,蒸散量ともにRW培地とDB培地が大きく,これらは培地内の水分量が多かったからだと考えられた.果実・葉・茎・根の総質量に関しては,DB培地が最も高くなったが培地間での有意差はみられなかった.果実の質量ではCB培地と他の培地では有意差がみられ,熱処理の効果が見られた.また,培地として利用する場合は,初期に高濃度のカリウムが流出するため,水で何度か洗浄してから利用するのがよいと考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究期間中に異動があったため,研究設備,研究体制に支障があった.現在では研究体制が整いつつあり,遅れは取り戻しつつある.

今後の研究の推進方策

農家との連携体制,研究協力者との連携体制が整ったため,現場における実証実験および,微生物による固化実験を行うことができる.
分析のための機器がないことが課題であったが,分析機器についても利用できる目処がついたため,いままで出来なかった成分分析を遂行していく予定である.

次年度使用額が生じた理由

農家に依頼する栽培実験のための謝金の余剰が出たためである.

次年度使用額の使用計画

新たな栽培実験のために謝金を支払う予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] イチゴのポット栽培実験による竹破砕物養液地として評価2015

    • 著者名/発表者名
      荻原雅周,丸居 篤,工藤明,泉完
    • 学会等名
      農業農村工学会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2015-09-01 – 2015-09-03
  • [学会発表] Water consumption and retention of crushed bamboo as an agricultural organic material2014

    • 著者名/発表者名
      A. Marui and S. Omoto
    • 学会等名
      2014 ASABE and CSBE/SCGAB Annual International Meeting
    • 発表場所
      montreal
    • 年月日
      2014-07-13 – 2014-07-16

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公開日: 2016-06-01  

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