収穫後のホウレンソウ葉を対象として、特に外観的症状等が生じる以前の潜在的な青果物の鮮度低下過程における生体膜の透過性と膜脂質過酸化物の変化について定量的な検討を行うと共に、それらの非破壊計測技術を開発することを目的とした。その結果、膜脂質過酸化物が膜透過性の増大に先行して増加することを明らかとすると共に、膜透過性増大をもたらす脂質過酸化物の蓄積量に閾値が存在することを示した。また、イオン漏出速度定数とマロンジアルデヒド当量について、決定係数0.5以上の予測モデルの構築が可能であることを示し、可視近赤外スペクトルを用いた生体膜の健全性評価とそれに基づく青果物の鮮度評価の可能性を示した。
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