本研究では暑熱環境下におけるニワトリのミトコンドリア活性酸素(mtROS)産生および体タンパク質分解システムの関連性を調べた。暑熱感作後、早期段階においてmtROS産生およびユビキチン転移酵素(E3)のmRNA発現量が増加し、その後、血中3メチルヒスチジン含量が増加した。続いて、ニワトリ筋細胞を高温感作した結果、mtROS産生量・E3 mRNA発現量の同時上昇が認められた。高温感作時のmtROS産生をTempolで抑制した結果、E3のmRNA発現量は低下し、細胞タンパク質量も通常状態まで回復した。以上より、暑熱環境下ではmtROS産生がタンパク質分解亢進の引き金になっていることが示された。
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