哺乳類のゲノムの約10%を占めるとされる内在性レトロウイルス(ERV)が、哺乳類の胎盤の進化に関与している可能性について、ERVの解析がほとんど進んでいないウシに着目し解析を行った。その結果、ウシ着床周辺期胚に発現するERVを10種同定し、その内5種について発現動態および発現局在解析、発現制御解析を行った。また、これらの解析に必要なin vitro implantation系の改善とERVの発現に関与する発現調節因子の解析を行った。これらの検証からウシ特有の胎盤形態に必要なERVが存在することが確認できたが、その詳細な機能については今後の検討課題となった。
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