研究課題/領域番号 |
25850191
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
二宮 茂 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40508305)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ウシ / 睡眠 |
研究概要 |
本研究は、アニマルウェルフェアの改善は、飼養環境の快適性の向上による飼育動物の睡眠行動の発現を介して 動物の生産性の増加に結び付く、という道筋を解明することを目指している。 本年度は、まず睡眠行動の発現実態の把握のため、ccdカメラおよびデジタルレコーダーを用いて、ウシの24時間の行動記録を行った(夜間は赤外線投光機により撮影範囲を照らすことで 映像化した)。岐阜大学応用生物科学部附属柳戸農場の乳牛12頭、美濃加茂農場の肉牛繁殖雌牛8頭を供試し、供試牛の行動を乳牛では毎月、肉牛では各季節おきに、3日間ずつ記録を実施した。Ruckebusch (1972)とHanninen et al.( 2008)の脳波を 計測した研究より、ウシの姿勢から睡眠状態を確認出来る事がわかっている。これらを参考に睡眠に関連深いとされる休息姿勢について’静止’と’リラックス’に分類し、睡眠行動の記録を行った。記録の結果、’静止’姿勢は乳牛、肉牛ともに0時から3時・4時にかけて発現のピークがみられる事が判明した。また、乳牛では夜間だけでなく昼間でも同程度の発現時間のピークが観察された。一方、’リラックス’姿勢は特に夜間に多く観察されることが判明した。その他、’静止’と’リラックス’について、その発現頻度と発現持続時間についても解析を行っている。 さらに、睡眠行動の発現と生産性との関係の解析した。しかし、睡眠行動と生産性との関係性は確認できなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳牛と肉牛のデータを用いて、それぞれ1名の学生が卒業研究として取り組み成果を上げているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、記録したウシの行動データの記録を進める。その解析結果を用いて、季節に伴う環境温度の違いを指標に飼育環境の快適性と睡眠行動との関連を見る。また、生産性の指標との関係も分析する。以上のことから、アニマルウェルフェアの改善は、飼養環境の快適性の向上による飼育動物の睡眠行動の発現を介して動物の生産性の増加に結び付くのか検証を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
予定通り研究が進み、必要な経費も予定通り使用した。次年度使用額については、少額のため、翌年度に繰り越し、研究経費として有効に使用する予定である。 次年度の物品費で使用する。
|