トリパノソーマを媒介するツェツェバエ(Glossina morsitans)ゲノム内の水平伝播遺伝子の検出を試みた。塩基の出現パターンを用いて由来生物種を推定する一括学習型自己組織化マップ法(BLSOM)を用いた結果、ハエゲノムの約3.8%が細菌由来の配列であることが推測された。さらに、ザンビア共和国でツェツェバエを野外採集し、水平伝播遺伝子の供与体としてのハエ保有細菌叢の特定を試みた。その結果、節足動物の共生細菌として知られるArsenophonus属、Wolbachia属が優占細菌属として検出された。また、水平伝播遺伝子の由来として推定された一部の細菌属も見つかった。
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