研究課題/領域番号 |
25850203
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 健介 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 助教 (80625898)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 心房機能 |
研究実績の概要 |
本年度は正常犬に対する薬剤負荷実験の最後の薬剤としてα作動薬のフェニレフリン投与を行った。本薬剤の投与により、血圧の上昇と心拡大が引き起こされ、心室機能が減弱したが、心房機能はむしろ上昇し、心室と心房が異なる反応性を示すことが明らかとなった。この結果と、昨年までのドブタミン、ミリルノン、エスモロールの結果と併せて論文を作製し、American Journal of Veteinary Research誌への掲載が受理された。 続いて、過剰輸液負荷による前負荷モデル犬を作製し心臓カテーテル検査指標ならびに心房機能の変動を評価する研究も行った。その結果、輸液負荷に伴い左心房内圧は上昇し、心房拡大を来し、心房機能が増強することが明らかとなった。ただし、心房機能の増強は直線状ではなく、心房内圧が重度に上昇すると心房機能はむしろ低下する傾向にあることも明らかとなった。これは前負荷増大に対する心房の代償反応と、より重度の負荷状態においては代償不全に陥る、といった現象を捉えているものと思われた。本研究の成果は現在American Journal of Veteinary Researchに投稿し、査読を受けている最中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心臓カテーテル検査の実施が可能となったため。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度はさらに肺高血圧モデル、僧帽弁逆流モデルを作成し心房機能の変動を明らかにする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は予定通りに研究を遂行することが出来たが、実験動物が譲渡されたこともあり、前年度余剰分を補うだけの執行が出来ていない。
|
次年度使用額の使用計画 |
肺高血圧モデルなどのモデル動物を作製し、あらゆる病態における心房機能の役割を解明するための研究を遂行する。
|