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2015 年度 実施状況報告書

多角的アプローチによる犬種関連性肝胆道系疾患の遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 25850205
研究機関東京大学

研究代表者

金本 英之  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70646728)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード胆嚢粘液嚢腫 / 胆汁酸 / 一塩基多型
研究実績の概要

犬の胆嚢粘液嚢腫(GM)の全血由来ゲノムDNAサンプルを用いた、一塩基多型を利用した疾患関連候補遺伝子解析を行った。多施設から収集したGM症例群・対照群各30症例の全血を材料とし、ゲノムDNAのサンプルを抽出、文献検索による疾患関連候補遺伝子3種類(ABCB11、CYP7A1、FXR1)のSNPsを、各遺伝子領域ごとに3つ選定し、一塩基伸長反応を利用して解析した。総計9つのSNPsのうち7つのSNPsについて、解析した症例における多型が確認された。結果として3遺伝子、合計7SNPsについて症例対照研究を行ったが、いずれのSNPsについても症例・対照におけるアレル、ハプロタイプの割合に違いは認められなかった。これらのことから、候補遺伝子とした3つの遺伝子はいずれもGMの発症との関連は薄いと考えられた。これらの結果について学会報告を行った。
またGMの病態に関連して、胆嚢内胆汁酸組成の変化とGMの発症に関する検討を進めた。前年度、血中胆汁酸分画とGMとの関連について解析を行い、特定の胆汁酸(タウロデオキシコール酸、TDCA)の分画比がGM症例において低下していることをあきらかにし、これを学会報告していたが、同内容を論文として投稿した(査読中)。さらに、胆嚢内胆汁における胆汁酸組成のGMとの関連について解析を行い、血中と同様に、TDCAの胆汁酸分画比がGMにおいて有意に低下していることをあきらかにした。本研究についても学会発表を行い、さらに論文を投稿した(査読中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は犬の肝胆道系疾患におけるゲノム・遺伝子発現と、実際の疾患症例サンプルを用いた病態解析を結びつけ、病態をあきらかにすることを狙いとしている。計画していたいくつかの犬の肝胆道系疾患のうち、胆嚢粘液嚢腫に焦点をあて、より深く研究を遂行することができている。
ゲノム解析・遺伝子発現解析・血液および胆汁を用いた生化学的な解析のうち、ゲノム解析、血液および胆汁を用いた解析については一定の成果を得ることができ、学会報告および論文投稿をすることができた。

今後の研究の推進方策

ゲノム解析については疾患関連候補遺伝子アプローチを行い、これまで4つの遺伝子領域について解析を行ったが、現在までに関連のある遺伝子領域は同定されていない。これについては、これまで収集したゲノムDNAサンプルを用いた、網羅的解析を次年度に行い、疾患関連遺伝子の同定を目指す。また、GMにおける遺伝子発現については現在解析を進めており、次年度中に結果をまとめ、発表することが可能であると考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] ユトレヒト大学(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      ユトレヒト大学
  • [学会発表] 犬の胆嚢疾患と胆嚢中胆汁酸分画との関連性についての研究2016

    • 著者名/発表者名
      柿元俊彰、金本英之、福島健次郎、大野耕一、辻本元
    • 学会等名
      第12回日本獣医内科学アカデミー学術大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-02-20 – 2016-02-20
  • [学会発表] 犬の胆嚢粘液嚢腫における疾患関連候補遺伝子のSNPs解析2016

    • 著者名/発表者名
      金本 英之、柿元 俊彰、中島 亘 、中村 健介、浅野 和之、飯田 玄徳、堀切園 裕、福島 建次郎、大野 耕一
    • 学会等名
      第12回日本獣医内科学アカデミー学術大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-02-20 – 2016-02-20

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公開日: 2017-01-06  

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