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2013 年度 実施状況報告書

抗ミューラー管ホルモンを用いた新しい繁殖管理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25850209
研究種目

若手研究(B)

研究機関宮崎大学

研究代表者

北原 豪  宮崎大学, 農学部, 助教 (90523415)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード抗ミューラー管ホルモン / 黒毛和種 / 繁殖管理 / 臨床バイオマーカー
研究概要

本課題は、黒毛和種雌ウシにおいて、試験1では出生後から春機発動(初回排卵)、試験2では分娩前から分娩後の初回排卵について、同一個体における抗ミューラー管ホルモン(AMH)などの臨床バイオマーカー候補の動態を明らかにし、生時より備わっている繁殖能力や周産期における非生産時の繁殖機能を評価する新しい繁殖管理技術の開発を行う。
平成25年度は、試験1において、30頭の黒毛和種育成ウシからサンプルの採取を開始できている。また試験2において、授乳中の黒毛和種雌ウシ12頭(4~13産、平均6.8産)を供し、分娩の-9週(-9w)、-4週(-4w)、-2週(-2w)、分娩後6日以内(0w)、分娩後2週(2w)、4週(4w)に採血、分娩後1週間間隔で超音波検査を行い、発情回帰(黄体の確認した週)、初回人工授精(AI)日数、初回AI受胎性、受胎までのAI回数、空胎日数を記録した。血中AMH濃度は、-9wの0.10ng/mlと-4wの0.07ng/mlが-2wから4w(0.05~0.06ng/ml)よりも、血中インスリン様成長因子(IGF)-1濃度は、-9wから0w(79.0~115.4ng/ml)が2wと4w(それぞれ56.9、55.2ng/ml)よりも有意に高かった。血中AMH濃度は各週のすべての間で有意な相関(r=0.65~0.96)がみられ、血中IGF-1濃度は一部に有意な相関(r=0.66~0.86)がみられた。各週の血中AMHおよびIGF-1濃度と発情回帰、初回AI日数、受胎までのAI回数、空胎日数との相関は、0wの血中IGF-1濃度と空胎日数(r=-0.63)に有意な相関がみられた。
よって、妊娠期間中であっても卵巣予備能の指標としてAMHは有用であり、分娩後6日以内のIGF-1はその後の繁殖性の指標として有用であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

試験1および試験2の両試験において、1農場において継続的な採材を行う環境を整えることができている。試験1では平成25年度において30頭の黒毛和種育成ウシよりサンプルの採取を開始できており、さらにその内の13頭では超音波検査による卵巣動態の追跡も開始できている。試験2では平成25年度において30頭の黒毛和種経産ウシよりサンプルの採取を開始できており、さらに12頭の解析を行うことができた。当初計画では、平成25年度から平成26年度にかけ両試験において目標とされるサンプル数を各50頭としていたことから、概ね順調に計画が進展していると考える。

今後の研究の推進方策

平成26年度以降も引き続きサンプルの採取を継続し、試験1および2の解析を進め、新たな繁殖管理技術に相応しい臨床バイオマーカーとその評価時期について検討を行う。また、平成27年度においては、試験1および2で得られたAMHによる新たな繁殖管理技術を研究代表者らが定期的に繁殖検診を行っている民間農場(10戸)をモデルとして、検証を行う。飼養環境や血統などの遺伝的要因によるバイオマーカーへの影響を明らかにする他、AMH単体をはじめ、他のバイオマーカー候補との複合による評価も考慮しながら、PDCAサイクルを回し、新たな繁殖管理技術の確立に向けた準備を進めていく。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に購入を予定していたプラスチック資材(サンプル保存容器)が平成25年度内での納品が困難となった。
平成26年度に、改めて発注および購入を予定する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 抗ミューラー管ホルモン(AMH)-牛の繁殖分野での臨床バイオマーカー-2014

    • 著者名/発表者名
      北原 豪
    • 雑誌名

      牛臨床寄生虫研究会誌

      巻: 4 ページ: 29-33

  • [学会発表] 抗ミューラー管ホルモン‐牛の繁殖分野での臨床バイオマーカー2013

    • 著者名/発表者名
      北原 豪
    • 学会等名
      第1回九州沖縄産業動物臨床研究会研究集会
    • 発表場所
      宮崎県宮崎市 ANAホリデイ・イン リゾート宮崎
    • 年月日
      20131006-20131006
    • 招待講演
  • [学会発表] 黒毛和種雌ウシにおける繁殖性バイオマーカーとしての血中抗ミューラー管ホルモンとインスリン様成長因子1の有用性の検討2013

    • 著者名/発表者名
      北原 豪,鎌田 立,邉見広一郎,小林郁雄,大澤健司
    • 学会等名
      第106回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      東京都府中市 東京農工大学
    • 年月日
      20130914-20130914
  • [備考] 宮崎大学農学部獣医学科産業動物臨床繁殖学研究室

    • URL

      http://www.agr.miyazaki-u.ac.jp/~vet/rinpan/rinpan%20home.html

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公開日: 2015-05-28  

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