少子高齢化社会でペットに安らぎを求める人々が増え、ネコの飼育頭数は年々増加している。それに伴い、幼稚園や公園、住宅街において放し飼いネコや野良ネコによる糞尿被害も増加しており、衛生面、人畜共通伝染病の観点から大きな問題になっている。そこで本研究では、においを介したネコの嗅覚コミュニケーションの仕組みを解明し、ネコの行動原理に基づいた、新たな糞尿防止策の開発を目指した。まず、ネコの縄張りに他のネコ尿を提示した時、ネコは興味を持ってにおいを嗅ぐが、イヌと違いオーバーマーキングしないことを見出した。更にネコの尿抽出物を分画して特定の画分に同様の活性が得られること、その化学組成を明らかにした。
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