Nodal遺伝子は胚発生期に必須の役割を果たす一方で、成体では発現が完全に抑制され、再活性化はがんの悪性化に寄与する。我々はエピジェネティクスの観点からNodal遺伝子の制御機構を研究した。マウスNodal遺伝子の転写開始点上流にDNAメチル化可変領域を同定し、EREと命名した。EREは胚性幹細胞においてNodal遺伝子の発現を誘導する新規の制御領域であった。分化した細胞ではEREのヒストンH3K27トリメチル化がNodal遺伝子の発現抑制に必須であることを確かめた。またEREはヒトにも保存されており、がん細胞ではH3K27トリメチル化が減少していた。
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