本研究では、正常な発生に必要不可欠な分子であるホスファチジルイノシトール3キナーゼの触媒サブユニットβ(Pik3cb)の働きが初期胚の細胞でどのように調節されているのか調べる為、マウス胚性幹細胞(mESCs)やゼブラフィッシュ胚を用いてPik3cbとその結合分子に関する解析を行った。その結果、mESCsでは成体組織とは異なるタイプのPik3cbや結合分子が複合体を形成し、その活性が調節されることが示唆された。また、ゼブラフィッシュにおいてPik3cbと複合体を形成する分子を多数クローニングする事もできた。得られた成果は初期胚のPik3cbの働きを理解する上で有用な知見となる事が期待される。
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