本研究は、重要文化的景観選定地区を対象とし、価値のとらえ方により選定地区を類型化すること、その上で、調査と価値評価、評価と保存計画の整合性について俯瞰し、検証した。特に、価値調査は、内容が多岐にわたるものが多かった。それゆえに、項目間のつながりや価値としての統合が難しいという側面も垣間見られた。地域の変化については調査報告書では多少触れられているものの、変化の仕組みや変化の中にある変わらないものといった計画に結び付けられる視点ではおこなわれていなかった。保存計画においても変化について具体的に書かれておらず、今後の課題と言える。
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