研究課題/領域番号 |
25860006
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 庸介 京都大学, ウイルス研究所, 助教 (60624723)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イナミド / 酸 / 複素環 / 生物活性物質 / 中員環 / キノリン |
研究概要 |
新規反応系の開発はより効率的な医薬品や生理活性物質の合成が可能となる。イナミドに対し有機酸を作用させることによるケテンイミニウムは非常に活性の高い求電子種となりうることから、非常に魅力的な合成素子であると考えた。しかしながら、ケテンイミニウムを用いた反応開発はあまりなされておらず、ケテンイミニウムを鍵とする含窒素複素環合成反応を検討することとした。またイナミドは温和に合成できることから、さらに複雑な複素環合成に応用できるのではないかと期待した。特に以下の反応を検討した。 ・イナミドを用いた三環性キノリンの効率的合成 ・イナミドを用いた中員環合成法の開発 その結果、強酸であるTfOHもしくはTf2NHを用いることにより、それぞれ効率的に反応は進行し、多環性キノリン骨格または、ヘテロ複素中員環骨格を構築できることを見出した。 キノリン合成においては様々な生物活性を有する天然物Marinoquinoline AならびにAplidiopsamine Aの誘導に成功した。種々の官能基にも許容であり、上記の天然物の誘導体合成にも応用できた。また、中員環合成においても期待通り目的の反応は進行することを見出した。中程度の収率であるものの、7-9員環の含窒素複素環合成を達成した。今後は、収率の改善、反応の適用範囲拡大を行う予定である。また、得られた生成物の生物活性を精査し、構造活性相関などを検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イナミドを用いた複素環合成において、6員環(キノリン合成)ならびに、中員環合成(7-9員環)を中程度の収率ながら進行することを見出した。収率の改善と種々の基質適用範囲の検討を今後行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
目的とする反応の開発は良好に成功した。今後は酸触媒の検討など反応条件を再検討し、収率の改善ならびに誘導体合成を検討する予定である。
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