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2013 年度 実施状況報告書

ブロモアルキンを活用したラジカル環化反応の開発および天然物合成への展開

研究課題

研究課題/領域番号 25860013
研究種目

若手研究(B)

研究機関星薬科大学

研究代表者

高橋 万紀  星薬科大学, 薬学部, 講師 (70409358)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードラジカル環化反応 / ヨウ化サマリウム / ブロモアルキン / アルデヒド
研究概要

以前、ブロモアルキンと不飽和エステルを有する基質に対して、ヨウ化サマリウムで処理すると、良好な収率でラジカル環化反応が進行し、5員環の複素環を得られることを見いだした。本反応で得られた知見を基に、ブロモアルキニルアルデヒドをヨウ化サマリウムで処理すると5員環および6員環の複素環が得られた。さらに、アミノ酸から誘導した化合物で反応を行ったところ、新たに生じる立体化学が制御された(Z)-ブロモアリルアルコールが得られることが判明した。さらに反応時間の短縮、作業の簡便化を行うために、ブロモアルキニルアルデヒドの合成をワンポット反応で行う方法を検討した。すなわち、-78°C下ブロモアルキニルエルテルをDIBALで還元し、反応液にプロトン性溶媒を加えて反応を止めた。次いで、0°Cに昇温し、ヨウ化サマリウムを加えた。その結果、高収率かつ高いジアステレオ選択性で目的とする環化成績体が得られることが判明した。
本反応の収率を向上させるために、二工程だけでなく、一工程目の収率を改善する必要がある。すなわち、アルデヒドを得るために、DIBALを加えているが、当量を厳密にコントロールしたとしても部分還元が進行せずにアルコールまで還元された。Weinrebアミド(N-methoxy-N-methylamide)はDIBALなどで還元するとアルミニウムと安定な中間体を生成する。その後、水などで反応を止めるとその中間体が分解し、アルデヒドが得られることが知られている。そこで、原料としてエステルの代わりにWeinrebアミドを用いて反応を検討することとした。その結果、DIBALを加えるとアルコールまで還元が進まずにWeinrebアミドをアルデヒドに収率よく得られた。続いてヨウ化サマリウムを加えることによって、良好な収率で環化体を得ることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本反応で基質となるブロモアルキニルアルデヒドは、エステルをDIBAL還元して得ている。その際に、アルコールまで還元される基質、またはアルコールとアルデヒドの混合物になる基質があるため、エステルの代わりにWinrebアミドを用いることとした。しかし、WeinrebアミドはNBSで処理すると目的とするブロモアルキンを良好な収率で得られなかった。そのため、種々条件を検討したため、実験はやや遅れた。現在は、ブロモアルキンの代わりにクロロアルキンを用いることによって問題は解決している。
先に述べたようにWeinrebアミドはDIBALで還元するとアルミニウムと安定な中間体を形成する。その中間体を分解するために、プロトン性溶媒を種々検討した。先に得られた最適条件を適用すると中間体の分解が一部進行せず、ヨウ化サマリウムを加えても原料のアルデヒドの消失が見られなかった。したがって、Weinrebアミドを基質として用いた場合の最適条件を検討したため、実験はやや遅れた。現在は、最適なプロトン性溶媒を見いだすことに成功したので問題は解決している。

今後の研究の推進方策

ブロモアルキニルアルデヒドの環化反応はほぼ完了したので、ブロモアルキニルケトンの環化反応について検討を行う。原料となる基質については、合成する目途はついているので特に問題はない。また、ブロモアルキニルケトンの環化反応は、検討の余地はあるものの、添加剤のHMPAの当量を制御することによって目的とする化合物が得られている。今後、種々条件検討することによって最適条件を見いだす予定である。
Lucentamycin Aを合成するのにあたって、ブロモアルケンをパラジウム触媒を用いたカップリング反応で炭素鎖を伸長する必要がある。現在、メチル基の導入の収率改善を目的に検討している。今後、ダブルアルキル化を行う条件を検討し、天然物の合成に着手する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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