本研究の目的は、LC/MS/MSを用いる超高感度リゾリン脂質検出系を構築し、レーザーマイクロダイセクション(LMD) によって切り出された微量組織切片によるリゾリン脂質解析を実施することである。 初めに、分析カラムの最適化、カラムスイッチグ法の導入、流路の改善等のHPLC条件の最適化により、リゾリン脂質の検出限界を100倍程度向上させた。さらに、ヒートスタビライザーを用いLMD処理中における組織中リゾリン脂質の分解を抑制する条件を最適化し、構築した定量法を用い、マウス組織切片(肝臓及び脾臓)数百から数千細胞におけるリゾリン脂質の検出に成功し、組織分布局在を明らかにした。
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