NF-κB経路は抗菌ペプチドやサイトカインの産生を制御するシグナル伝達経路として、自然免疫における中心的な役割を担っている。これまでに、生物に普遍的な自然免疫制御機構の新たな一面を明らかにするため、ショウジョウバエ幼虫における過剰発現スクリーニングを行い、抗菌ペプチドDiptericinの発現を誘導する新規遺伝子であるCG8863を同定している。そこで本研究では、CG8863ノックダウン個体を用いた細菌感染実験により、CG8863のNF-κB経路への関与を示した。さらにCG8863のほ乳類ホモログがIκBαのリン酸化を制御することでNF-κB経路の活性化に寄与している可能性を示唆した。
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