研究概要 |
本申請課題は、SOCSボックスタンパク質SSBファミリーによる細胞間情報伝達制御機構の解明を目的としている。 既にSOCSボックスをもつタンパク質としてCIS/SOCSファミリーが知られている。それらはサイトカインシグナル伝達を抑制し、過剰な免疫反応が起きないようにしている。一方でSOCSボックスをもつSSBファミリー(SSB-1, 2, 3, 4)はその機能が完全には分かっていない。われわれはSSBの新規結合分子を同定した(未発表)。SSBはユビキチンリガーゼとして機能することが示唆されているので、同定した基質分子の分解がSSBに依存しているかを解析中である。既にこの基質はユビキチン修飾を受けることが報告されており、SSBがそのユビキチンリガーゼであることが強く示唆される。 また、SSBが特定の条件下で発現誘導されるかを検討した結果、ある条件下でmRNA量が増加することを確認した。SSBに対する抗体を作製したので、今後タンパク質レベルでも発現誘導されているのかを検討する。 他の研究者らによってこの基質の解析は進んでおり、組織によって違うが、ガン化を亢進あるいは抑制する重要な分子であることが知られている。したがって、その制御はガンの治療あるいは予防に重要な知見をもたらすと考えられる。
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