研究課題
分子シャペロン補因子HOP (HSP70/HSP90 Organizing Protein)は、HSP70及びHSP90と共動し、新規合成ポリプチド鎖を折りたたむ因子である。本年度は、まず始めにHOPを標的分子とした抗がん剤薬の創製に向け、昨年度に続きHOPに結合する化合物の同定(阻害剤の探索)を試みた。まず、昨年度の一次スクリーニングから選定した結合化合物を対象として、サーマルシフトアッセイを使用した二次スクリーニングを実行し、HOPの全長タンパク質に対して計19個、TPR2A領域に対して計8個結合する化合物を同定することに成功した。加えて、同定したHOP結合化合物を評価するために、HOPの新規生理機能であるATP結合能及び構造変化について解析を行った。その結果、ATP加水分解速度及びその結合定数を明らかとした。また、ATP結合領域及び活性中心を決定し、プロテアーゼに対する消化領域の差からATP加水分解時の構造変化領域を明らかとした。また、HOP結合タンパク質であるHSC70及びHSP90との相互作用のメカニズムの解明を試み、HOPが介在する基質移行メカニズムを明らかとした。 以上の結果より補因子として働くHOPの生理機能の詳細を明らかにすることができた。
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