HIV-1 エンベロープを介した膜融合を迅速かつ安全に測定するcell-cell fusion assayを用いて、細胞間膜融合に関わる新しい機能を持つ脂質代謝酵素を探った。すると、スフィンゴミエリン合成酵素KO マウス由来の胎児繊維芽細胞にSms2を恒常的に発現する再構成細胞は、KO 細胞やSms1再構成細胞と比較して膜融合の効率が高かった。免疫沈降および細胞内局在を調べたところ、Sms2はHIV-1 受容体と相互作用し、形質膜上で共局在することがわかった。以上の結果から、Sms2は形質膜上で HIV-1 受容体・補助受容体と相互作用することで、膜融合の効率に影響を与えることが示唆された。
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