心臓は再生能が低い組織と考えられてきたが、心筋組織に幹細胞が存在することが知られるようになり、その生物学的機能に注目が集まっている。我々はこれまで、IL-6ファミリーサイトカインが、STAT3/Pim-1シグナルを介して、心筋組織幹細胞を血管内皮細胞に分化誘導し組織修復に寄与する可能性を提唱してきた。本研究では、同ファミリーに属するIL-27が、心筋梗塞や心筋炎モデルにおいて傷害慢性期に発現増強すること、IL-27がSTAT3/Pim-1シグナルを介して心筋組織幹細胞を血管内皮細胞に分化誘導することを見出した。併せて、Pim-1の下流にあるPim-1キナーゼの基質となる分子を同定した。
|