アルツハイマー病治療薬として汎用されているドネペジルは、グルタミン酸誘発神経細胞死に対して保護作用を発現し、その神経保護作用には、ニコチン性アセチルコリン受容体により活性化されるPhosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)-Akt経路が関与している。培養大脳皮質細胞において、ドネペジルの神経保護作用機序の一部に、PI3K-Akt経路を介したGSK-3βの活性抑制が関与すること、またGSK-3β活性抑制の下流シグナルとしては、Bcl-2の発現上昇ではなく、β-cateninの発現上昇や部位特異的なtauリン酸化が関与することを見出した。
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