研究課題
本研究はオキサリプラチンによる末梢神経障害発症機序の解明とその抑制薬による治療法の開発を目的としている。平成27年度はProtein kinase C(PKC)の阻害剤によりオキサリプラチンの末梢神経障害抑制機構の解析を行い、extracellular regulated protein kinase (ERK)の下流因子であるc-Fosの発現抑制が関与することを見出した。また、ERK1/2を抑制する薬剤であるPD0325901によっても同様にc-Fosの発現を阻害することを認めた。これらのことから、PKC/ERK/c-Fos経路がオキサリプラチン誘発末梢神経障害に関与することを見出し、その抑制薬が治療に有効である可能性を示唆した。さらにPKCの活性化機構についても検討を進めており、数種の因子を同定しつつある。また、PKCの上流因子の阻害薬によってもオキサリプラチン誘発末梢神経障害を抑制できるか否かについても検討を行った。評価にはCold Plate Test及びvon Frey Testを用いた。その結果、PKCの上流の阻害剤によってもオキサリプラチン末梢神経障害を抑制できることを見出した。さらに、この阻害薬はオキサリプラチンの大腸癌に対する抗腫瘍効果を増強することも認めている。以上のことはPKCを含めた関連のシグナル伝達因子がオキサリプラチン末梢神経障害に関与することを示唆している。
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