腎臓癌は、臨床的に抗悪性腫瘍薬が効きにくい難治癌である。本研究では、腎臓癌の新規治療法を探索するために、内因性抗がん物質である15-デオキシ-デルタ12,14-プロスタグランジンJ2(15d-PGJ2)の抗腫瘍効果および標的タンパク質を網羅的に解析した。 トポイソメラーゼ阻害薬であるエトポシドと15d-PGJ2の併用によって、それぞれの単独処置に比べて相乗的なアポトーシス誘導による細胞増殖抑制が認められた。また、プロテオーム解析によって、15d-PGJ2と結合するタンパク質として、解糖系酵素、細胞骨格タンパク質、分子シャペロン等、55種類を同定した。
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