研究課題/領域番号 |
25860084
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
平澤 祐介 星薬科大学, 薬学部, 助教 (90434183)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | voacalgine / アルカロイド / Voacanga / grandifolia |
研究概要 |
インドネシア産キョウチクトウ科Voacanga grandifoliaを素材として成分研究を行った結果、voacalgine A~Eと命名した新規モノテルペンインドールアルカロイドの単離に成功し、それらの構造を各種二次元NMRを用いて明らかにした。Voacalgine AはC-mavacurine骨格と2,3-dihydroxybenzoateが1:1で縮合した構造、voacalgine BはalstonerineのC-10位に水酸基が結合した構造、voacalgine Cはmacroline骨格とC6ユニットが縮合した7環性の構造、voacalgine DおよびEはvoacalgine Cと同様にmacroline骨格とC6ユニットが縮合した構造であるが、2-furyloyl基を有する全く新しい構造であった。他方、異なるロットの本植物からは、vobasine型とiboga型からなる新規二量体アルカロイドvoacalgine Eの単離に成功し、その相対立体配置を明らかにした。単離した新規アルカロイドについて抗マラリア原虫活性、抗がん活性、チューブリン重合阻害活性、メラニン産生阻害活性、ラット血管弛緩活性等の評価を行ったところ、voacalgine AがHL-60細胞に対してIC50 12.1マイクロモーラー、およびHCT116細胞に対してIC50 45.7マイクロモーラーで増殖抑制活性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
キョウチクトウ科Voacanga grandifoliaを素材に3種の新規骨格を含む6種の新規アルカロイドの単離に成功し、それらの生物活性を評価した。現在更なる研究素材としてTabernaemontana divaricataおよびTabernaemontana elegansの検討を行っており、新たな知見が得られるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Tabernaemontana属植物の成分検索を活発に行い、新規多量体アルカロイドの単離、構造解析を進めていく。その一方で、所有しているモノテルペンインドールアルカロイドのPolonovski反応等による二量体化の検討、ならびに類縁体の合成も行い、構造活性相関の解明に向けた準備を整えていく。
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