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2014 年度 実施状況報告書

腸管内代謝実験モデル組み込み生物活性評価と天然素材からの肝保護物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 25860086
研究機関福岡大学

研究代表者

土橋 良太  福岡大学, 薬学部, 助教 (00369026)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード腸内細菌 / 代謝実験 / 肝保護 / 成分単離
研究実績の概要

前年度までに、腸管内代謝実験モデルを組み込んだ肝保護活性評価試験を用いて複数の肝保護活性を有するエキス候補をみつけた。活性が認められたエキスである、レモン果皮、ダイダイ果皮、パセリ、そば、甘草、大豆から成分の分離精製、構造決定を行い、eriocitrin、naringin、neohesperidin、apiin、rutin、liquiritin、liquiritin apioside、isoliquiritin、isoliquiritin apioside、soyasaponin I を得た。また、それらのスケールアップ実験に必要な大量の分離精製にも成功した。少量の分離精製は比較的容易であるが、今回それぞれ500mg以上の分離精製に成功したことは、今後の活性解明を行って行く上で非常に重要な意義をもつ。
それら得られた成分について腸内細菌株を用いた代謝実験を行い、代謝物の分離精製、同定を行い、いままでに代謝物としてnaringin 7-O-glucoside、naringenin、hesperidin 7-O-glucoside、apigenin 7-O-glucoside、apigenin、quercetin、hesperetin、liquiritigenin、isoliquiritihegeninを得た。
また、腸内細菌株それぞれによる代謝を解析した結果、モノグルコース配糖体であるliquiritin、isoliquiritinは、今回用いた腸内細菌株すべてて代謝されることが判明し、その他は限られた腸内細菌株でしか代謝されなかった。このことは、それら化合物の生体内利用能(BA)の解明にも役立つものと考えられる。
今後さらにこれらについて、肝保護活性試験を行って行く。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

肝保護活性が認められた複数の天然物に関してスケールアップしたエキス作成を行い、成分の分離精製を行って来た。スケールアップした代謝実験には多量の単離成分が必要になるが、多量に成分を分離するのに時間がかかってしまい、実験の進捗が遅れてしまった。特に大豆中の活性が見いだされた大豆サポニンに関しては、特殊な分離方法が必要で特に時間がかかってしまった。

今後の研究の推進方策

単離した化合物それぞれに対して腸内細菌による代謝、肝保護活性評価を行う。 またスケールアップした代謝実験を行い代謝物の単離同定を行い、真の活性本体の同定を行う。肝保護活性には、化合物の抗酸化作用が強く関与されることがわかっていることから、単離同定された成分の抗酸化作用についても評価していくつもりである。
結果、肝庇護療法に候補となる化合物を探索できると思われる。

次年度使用額が生じた理由

スケールアップ実験に使用する化合物は、まとまった量のサンプル量が必 要であり、その分離・精製に想像以上に時間がかかり、その結果、実験計画全体が押してしまい助成金の未使用が発生してしましました。

次年度使用額の使用計画

来年度は所属学会の開催地も遠方であり学会旅費としての使用と、生物活性試験とうの試薬や、分離精製に必要な単体の購入などに使用したいと思っています。

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公開日: 2016-06-01  

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