現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者は、これまでに糖尿病治療薬の候補化合物として高いα-グルコシダーゼ阻害作用を示すイミノ糖誘導体の合成に成功し、その結果を論文にて報告している。 (Bioorg. Med. Chem. Lett. 2011, 21, 738-741.; J. Med. Chem. 2012, 55, 10347-10362.)。この報告に基づき、C1位に直鎖状のアルキル側鎖を持つアラビノイミノフラノース誘導体を合成することが出来た。 また、クリックケミストリーを用いたイミノ糖誘導体の合成について検討した。既存の反応中間体のC1位にアジド基を導入し、C2位とC3位をジヒドロキシル化した。この際、2,3-cisと2,3-transのジオールの2種のジアステレオマーを合成することが可能であった。その後、アルキンとのHuisgen反応によりトリアゾール環構築を経て、2,3-cisと2,3-transのジオールからそれぞれアラビノース型とリキソース型のイミノ糖誘導体を合成した。本合成経路は、合成終盤にてHuisgen反応によって側鎖を構築していること、C2位とC3位の立体選択的なジヒドロキシル化が可能であることから様々なイミノ糖誘導体を供給可能な合成法を開発出来たと考えている。 また、上記の得られた研究成果についてすでに3回の学会発表を行っており、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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