本研究課題では、標的特異的タンパク質分解法によって、最も有名な癌遺伝子産物の一つ活性型Rasタンパク質の分解を誘導する化合物(SNIPER)の開発を目指す。今回、2種類のSNIPERを合成したが、何れのSNIPERもRasタンパク質を分解する活性を有していなかった。さらにRasタンパク質に結合する化合物を同定するために、in silico docking simulationを行い728個のRasリガンド候補化合物を得ることが出来た。また、対象とした標的タンパク質が、実際にプロテインノックダウンによって分解出来るか否かを事前に検証できるシステムも別途構築した。
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