研究課題/領域番号 |
25860101
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
貝崎 明日香 昭和大学, 薬学部, 助教 (70407443)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | アプタマー / SELEX / JWH-018 / MDA |
研究概要 |
平成25年度の方法・計画の1-1、1-2に記した通り、60,75および90 merのランダムssDNAライブラリーを作成した。JWH-018にカルボキシル基を導入した誘導体(以下JWH-018カルボン酸)を合成した。磁気ビーズであるDynabeads M-270 Epoxy(以下Dynabeads)の全ての活性化基とJWH-018カルボン酸を結合させるため、JWH-018カルボン酸の添加量を検討した。DynabeadsとJWH-018カルボン酸を反応させた後、反応液に残存するJWH-018カルボン酸をHPLCで測定し、理論上、Dynabeadsの全ての活性化基がJWH-018カルボン酸と結合していることを確認し、ssDNAの選択に用いることとした。 JWH-018に対するssDNA選択の前に、MDA-Dynabeads(Dynabeadsの活性化基にMDAの側鎖を結合させたのもの)を用いて、方法・計画の1-3、1-4、1-5に従い、MDAに対するssDNA選択を行い、SELEX法の条件検討を行った。その結果、60 merのssDNAライブラリーから、MDAを認識するssDNA 28種を得た。これらの配列を特定し、立体構造の決定を行った。28種のssDNAのうち、比較的親和性が高いものをクローン化した。 平成25年度の方法・計画の2に従い、MDA誘導体をBiacoreセンサーチップに結合させ、クローン化したssDNAをBiacore T100に流入し、結合性を定量的に解析した。その結果、最も優れたssDNA(MDAアプタマー)の解離定数(Kd値)は50.1 nMであった。これまでに報告されているエタノールアミンのアプタマーや既に実用化されているコカインのアプタマーのKd値が各々19 nM、104 nMであることから、今回得られたMDAアプタマーも実用化に耐えうるものと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
JWH-018の溶解性に問題があり、MDAアプタマーの選択の際に決定した(水溶性の薬物に対するアプタマーの選択に適した)条件では、うまく進まないことが明らかになった。現在は、実用化に向けたことも考慮し、JWH-018を認識するssDNAの選択を水溶性で行うのか、有機溶媒中で行うのかについて検討を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、水溶性薬物だけでなく、JWH-018のように溶解性に問題のある薬物に対するssDNAの選択条件を検討する。そして、どのような性質の違法ドラッグに対しても、迅速にアプタマーの作成ができるような基本的なデータを蓄積する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
計算ミスにより、2円残ってしまいました。 平成26年度は、計算ミスのないように注意し、使用します。
|