研究課題/領域番号 |
25860102
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
廣森 洋平 金城学院大学, 薬学部, 助教 (60515956)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | PFOA / DEHP / 胸腺 / aP2 |
研究概要 |
これまでに我々はトリフェニルスズ(TPT)が核内受容体であるPPARgammaを介して胸腺の脂肪化を促進する事で免疫の加齢化を促進する可能性を明らかにしている。 本研究ではTPTと同様に、免疫機能の加齢化促進作用を促進する環境化学物質の探索を試みた。被験物質としてはTPTと同様にPPARgammaアゴニスト活性を有することが知られており、胸腺萎縮作用を示すことが知られているperfluorooctanoic acid (PFOA)およびdi-(2-ethylhexyl)phthalate (DEHP)を用いた。これらの化合物を20週齢のメスマウスへ2週間経口投与を行い、胸腺を摘出して重量を測定し、胸腺萎縮作用が認められるか確認を行った。 検討の結果、PFOA投与により胸腺重量の減少傾向が認められたものの、有意な変化ではなかった。また、DEHP投与においても、胸腺重量の減少は認められなかった。また、脂肪細胞の分化マーカーであるaP2 mRNA発現量をリアルタイムRT-PCRを用いて検討を行った。TPT投与により胸腺におけるaP2 mRNA発現の上昇が確認されているため、PFOA、DEHP投与によってもaP2発現が上昇することが予想されたが、いずれも発現の上昇傾向が認められたが、有意な変化ではなかった。これらの結果からPFOA、DEHP共に免疫の加齢化を促進する可能性が示唆されたが、さらなる検討が必要であると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年度の研究によりトリフェニルスズと同様に免疫機能の加齢化促進作用を促進する環境化学物質の候補として、perfluorooctanoic acid (PFOA)およびdi-(2-ethylhexyl)phthalate (DEHP)を見いだした。しかし、被検物質の最適な投与濃度、投与期間を決定するのに予定よりも時間がかかり、獲得免疫機能に与える影響に関する検討が検討途中となってしまったため、達成度はやや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初は、genisteinやArtepillin Cについても検討を行う予定であったが、今後は、影響が認められる可能性があるperfluorooctanoic acid (PFOA)およびdi-(2-ethylhexyl)phthalate (DEHP)に研究対象を絞って検討を進める。まず、獲得免疫機能に与える影響に関する検討を完了させ、これらの影響がPPARgammaを介したものであるか検討を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
被検物質の最適な投与濃度、投与期間を決定するのに予定よりも時間がかかったことに伴う研究進行の遅れたことにより、獲得免疫機能に与える影響に関する検討が検討途中となったため、実際の支出額が当初計画より下回ったため。 途中となっている獲得免疫機能に与える影響に関する検討にかかる費用に充当する予定である。
|