研究課題
これまでに我々はトリフェニルスズ(TPT)がPPARγを介して胸腺の脂肪化を促進する事で免疫の加齢化を促進する可能性を明らかにしている。本研究ではTPTと同様に、免疫機能の加齢化促進作用を促進する環境化学物質の探索を試みた。被験物質としてはTPTと同様にPPARγアゴニスト活性を有することが知られているperfluorooctanoic acid (PFOA)およびdi-(2-ethylhexyl)phthalate (DEHP)を用いた。これらの化合物を16週齢のメスマウスへ2週間経口投与を行い、体重および臓器重量を測定した。また、PPARγおよび脂肪細胞の分化マーカーであるaP2のmRNA発現量を測定することで、免疫加齢化促進作用が認められるか確認を行った。検討の結果、DEHP 50 mg/kg/day投与群においては、脂肪、胸腺重量の上昇、500 mg/kg/day投与群においては、肝臓、脂肪重量の上昇が認められた。また、PFOA 2 mg/kg/day投与群においては、肝臓重量の増加、胸腺重量の減少、20 mg/kg/day投与群においては、体重減少、肝臓重量の増加、胸腺、脂肪重量の増加が認められた。aP2およびPPARγmRNA発現量を測定したところ、DEHP 50 mg/kg/day投与群において、胸腺のaP2、PPARγの上昇が認められた。また、PFOA 20 mg/kg/day投与群において、胸腺のaP2、PPARγのmRNA発現量の上昇が認められた。これらの結果から、DEHPおよびPFOAが免疫の加齢化を促進する可能性が示唆された。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 5 ページ: 8520
10.1038/srep08520
The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.jsbmb.2014.10.010
Endocrinology
巻: 155 ページ: 4275-4286
10.1210/en.2014-1181
http://tdb.kinjo-u.ac.jp/search/index.php/search/teacher_info?id=185&s_tl_subject=71&rd=depart_list