加工食品中の特定原材料の遺伝子検査で問題となるDNAの劣化に対して、その劣化過程とPCR検出率との関係および劣化DNAの検出法と試料調製法を検討した。λDNAを用いた基礎検討で高温高圧負荷によるDNA劣化がポアソン過程に従うことが分かり、劣化DNAとPCR検出率の関係式が得られた。劣化DNAの検出率は人工核酸の導入によるPCR増幅サイズの縮小化で改善した。検出感度や実際の試料への応用などの課題もあるがDNA断片から元の配列を復元する方法で約20塩基を検出できた。シリカ膜スピンカラムのDNA抽出の改良法は、劣化DNAを簡便な操作で大量に回収でき、そのPCR検出率は他の抽出法と同等であった。
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