研究課題/領域番号 |
25860105
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
林原 絵美子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (20349822)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Helicobacter cinaedi / Helicobacter fennelliae |
研究概要 |
Helicobacter cinaediは人や動物の腸管に生息するHelicobacter属菌(腸管ヘリコバクター,Enterohpatic Helicobacter)の一種である.近年,敗血症の原因菌としてH. cinaediの分離される報告例が増えている.しかしその感染経路や病原性に関しては不明な点が多い.本研究はEnterohepatic Helicobacterによる感染症の病態を明らかにすることを目的とし,H. cinaediに着目し,新規病原因子を明らかにすることを目的とする.申請者はこれまでに一つの病院において5年間に分離されたH. cinaediを分子疫学的に解析し,その多くが同じ病棟から分離された同じタイプであったことから,H. cinaediが人から人へと伝播している可能性が高いことを明らかにした.さらに,同一病院でH. cinaedi類似のH. fennelliaeが敗血症の原因菌として複数の患者から分離されており,H. cinaediと同様に人から人へ伝播している可能性が示唆された.H. fennelliaeのゲノムは未だ解析されていなかったことから,解析を行った.その結果,H. fennnelliaeはH. cinaediやH. hepaticusに類似していることが明らかになった.一方,H. fennelliaeはH. cinaediやH. hepaticusがもつ病原因子であるCDT(Cytolethal Distending toxin)を持たないことが確認された.これらの解析結果はH. cinaediやH. fennelliaeによる敗血症の病態を解明するうえで有用であると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Helicobacter fennelliaeのゲノム解析は計画通り行われたが,申請者が8月より3月まで産休・育休を取得していたため,その後行う予定でいた病原因子に関する解析は遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
H. cinaediおよびH. fennelliaeにおける新規病原因子を明らかにすることを目的とし,Random mutagenesisによる変異体ライブリーを作製し,病原性に関与する遺伝子を特定する.病原性評価にはこれまでの実験で用いてきたin vitroの感染実験に加え,動物を用いた感染実験も行い,病原性を評価していく予定である.また,別アプローチとしてPan-genome解析によりH. cinaediやH. fennelliaeの病原性に関与する可能性がある候補遺伝子を絞り込み,ノックアウト株を作成して病原性を比較する.
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次年度の研究費の使用計画 |
申請者は平成25年8月から3月まで産休・育休を取得していたため. Helicobacterのノックアウト株作製のための培地,PCR酵素等の試薬類,シャーレ等の消耗品,in vitro感染実験のための細胞培養培地,細胞染色やELISAのための試薬類,培養プレート等の消耗品,動物実験のための動物購入やその維持費に使用する予定である.また関連学会での発表および情報収集のために旅費・参加費を使用する予定である.
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