本研究では、ヒトiPS細胞から腸管上皮細胞への分化の促進もしくは分化させた細胞の薬物動態学的機能の獲得に有用な低分子化合物を複数見出すことができた。これらの化合物を用いて分化させた細胞は腸管マーカーを発現しており、薬物代謝能、CYP3A4誘導能およびペプチドトランスポーターを介したペプチドの取り込み能を有していた。また、ヒトiPS細胞から分化させた腸管幹細胞は、腸管上皮細胞への分化能を維持したまま、1ヶ月程度培養することが可能であった。さらに、この細胞は凍結保存も可能であった。本研究で得られた成果は、ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の創薬研究への応用に向けて有用な知見であると考えられる。
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