研究課題/領域番号 |
25860124
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
大野 まき 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (80366765)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肝細胞 / 薬物代謝 |
研究概要 |
薬物代謝酵素やトランスポーターの活性を長期間保持したヒト肝細胞培養系の構築のために、肝小葉構造を模倣した肝複合組織体を作製することを目的に研究を進めた。 凍結ヒト肝細胞を低速で遠心分離したヒアルロン酸をコートした培養皿に播種し、血清やEGF、ニコチンアミド、マウス線維芽細胞等の存在下で培養した。その結果、増殖能を有する複数の肝細胞を分離培養した。6回の継代が可能な2ドナー由来の細胞と9回の継代が可能な1ドナー由来の肝細胞について、肝細胞特異的タンパク質α1-アンチトリプシンとアルブミンの発現をELISA法により測定し、肝細胞であることを確認した。また、ヒト肝前駆細胞特異的マーカーであるCD44の発現を免疫染色法で調べ、分離した細胞がヒト肝前駆細胞であることを確認した。分離したヒト肝前駆細胞と内皮細胞との複合組織体を構築するため、ヒト肝前駆細胞とウシ内皮細胞との混合培養を作製し、肝前駆細胞におけるα1-アンチトリプシンとアルブミンの分泌をELISA法により測定し、肝前駆細胞単独培養と比較した。また、培養系の肝細胞機能の評価は、薬物代謝遺伝子の発現量のリアルタイムPCR法による定量で行うため、各遺伝子についてヒト特異的なプライマーの設計を行い、ヒト肝前駆細胞の機能評価の準備を行った。 今後は、ヒト肝前駆細胞、血管内皮細胞を高速で線状に配列させ、アルギン酸ゲルファイバー内に肝複合組織体を構築し、肝細胞機能を高く保持する、最適な培養系の作製を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年4月に大学のキャンパスが移転したため、研究環境の整備に時間を要した。また、肝細胞の機能保持に最適な培養条件を検討するのに必要なヒト肝前駆細胞の数を当初の予定よりも多く設定したことで、増殖、凍結保存する作業に予定以上の時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト肝前駆細胞、血管内皮細胞をアルギン酸ゲルファイバー内に肝複合組織体を構築する。培養条件を検討し、肝細胞機能を高く保持する、最適な培養系の作製を試みる。各培養系の肝細胞機能の評価は、培地中へのアルブミン分泌量のELISA法による測定と、CYP遺伝子の発現量のリアルタイムPCR法による定量で行う。また、肝複合組織体における薬物代謝関連遺伝子の発現について、網羅的かつ定量的に解析できるPCRアレイを用いて解析する。発現プロファイルは、肝前駆細胞と同一ドナー由来のヒト初代培養肝細胞と比較する。また、薬物代謝において特に重要なシトクロムP450の酵素活性を、それぞれに特異的な基質を用いて測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究が予定よりやや遅れたため。 当初の計画通り、必要消耗品の購入に使用する計画である。
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