本課題において、我々は吸収部位差に基づいた新規薬物消化管吸収性予測法の開発を試みた。 その結果、消化管各部位の人工腸液を用いて予測したalbendazole(AZ)経口投与後の吸収率(Fa)は、in vivo Faと極めて近い値を示した。また、小腸上部人工腸液を利用して得られたAZ膜透過性および飽和溶解度のみを用いてFaを予測した場合、その値はin vivoにおけるFa値の2/3程度であった。また、可溶化剤による吸収性改善効果も各部位の人工腸液を利用することにより、予測精度の向上が認められた。以上、本研究は難溶解性薬物の新規消化管吸収性予測法として極めて有用であると考えられる。
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