骨格筋細胞は、多核の長大な細胞である。この細胞の形態形成や維持に関わる小胞輸送システムを解析する。骨格筋細胞に発現する、小胞輸送関連蛋白質のひとつに着目し、ノックアウトマウスを作出した。遺伝子を欠損したヘテロ接合体やホモ接合体は、死産が多く見られた。骨格筋では、明確な形態異常は見つからなかったが、肺を観察したところ、完全な無気肺もあれば、一部領域が無気肺で、死亡している例が見つかった。さらに、脳では、脳室の閉鎖や拡張といった形態異常が見つかった。通常の解剖作業では見つけにくい形態異常が見つかった。ノックアウトした分子が骨格筋以外の組織で形態形成に関わることを示唆した。
|