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2013 年度 実施状況報告書

新規細胞内極性輸送関連タンパク質の海馬神経細胞形態形成における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860141
研究種目

若手研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

岩野 智彦  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10442930)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード極性輸送 / インタラクトーム / 神経細胞
研究概要

神経細胞の形態形成における極性輸送関連遺伝子の包括的な分子メカニズムを解明するため、極性輸送に関与する遺伝子のクローニングとそれらの相互結合関係について調べた。
線虫のRNAiスクリーニングにより極性輸送に関与する遺伝子は、当研究室において多数同定していた。多くの候補遺伝子の中から重要な因子を見いだして集中的に解析することが効率的である。タンパク質は複合体を形成して機能を果たすことが多いので、それぞれがどのように結合しているかを網羅的に調べ、結合の核となる遺伝子が見いだされれば、それが特に重要だろうと考えた。
線虫の候補遺伝子は81種類あり、クローンDNAの多くは国立遺伝学研究所小原雄治先生から分与して頂いた。データベースで見つからなかったクローンは 線虫cDNAライブラリから独自に単離した。候補遺伝子81個のうち4個はクローニングできず、残りの77個を以降の解析へ進めた。そのcDNAを酵母2-ハイブリッド解析に使えるよう発現ベクターにサブクローニングした。それらを用いて酵母 2-ハイブリッド解析を行った。活性化ドメインを持つ方の発現ベクターpACT2につないだ77遺伝子のうち7遺伝子は単独で活性化しており2-ハイブリッド実験に使えないため、pACT2には70遺伝子をつないだものを以降使用した。DNA結合ドメインを持つ方の発現ベクターpFBT9につないだ77遺伝子のうち17遺伝子は単独で活性化しており2-ハイブリッド実験に使えないため、pFBT9には60遺伝子をつないだものを以降使用した。それらpACT2 70種、pFBT9 60種の総当たりで、計4200組み合わせの酵母2-ハイブリッド解析を行っている。現在そのうちの3480組の解析を終えている。
今後早急に酵母2-ハイブリッド実験を終わらせ、結合関係地図を作製し、重要遺伝子の候補を絞り込む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理由1、線虫の候補遺伝子の全長をクローニングし、正しい遺伝子配列への修正や確認に予定よりも時間を要してしまった。
理由2、活性化ドメインを持つpACT2ベクターやDNA結合ドメインを持つpFBT9ベクターに候補遺伝子を挿入し、そのセルフアクティベーションを検討したところ、予想よりも少ない数の遺伝子がセルフアクティベーションを起こさなかった。その結果、酵母2-ハイブリッド実験による結合実験の総当たり組数が予想よりも多くなってしまったので、酵母2-ハイブリッド解析を終える時期が遅くなってしまった。

今後の研究の推進方策

残りの酵母2-ハイブリッド実験を早急に終わらせ、相互結合関係における重要な遺伝子を絞り込む。
その線虫遺伝子に対するマウスホモログ遺伝子をクローニングし、線虫で得られた結合関係が保存されているかをさらに酵母2-ハイブリッド実験や免疫沈降実験で確かめる。
それが確かめられたマウス遺伝子にに対するRNAi実験を行う。
RNAi実験の流れとして、1)目的遺伝子に対するshRNAベクターを数種購入する。2)マウス胎性線維芽(MEF)細胞を用いて、shRNAの遺伝子抑制効率を検討する。3)抑制効率の良いshRNAベクターを用いて初代海馬神経細胞やマウス胎児の脳において遺伝子抑制実験を行う。
RNAi実験を通じて神経細胞の極性形成や、細胞内極性輸送に影響を与える遺伝子に関して、ノックアウトマウスを作成することを検討する。その作成方法として、その簡便さと早さを重視しCRISPRシステムを利用することを検討したい。

次年度の研究費の使用計画

現在の実験の進捗が計画よりも遅れており、未だ必要な試薬(具体的にはRNAi実験用のsiRNAやshRNA)の選定ができていない。その結果、それらを購入することができなかったため、使用予定額よりも少ない額しか使用しなかった。
当初の計画よりも実験が遅れているが、おおむね適切に進められているので、予定通りRNAi実験用のsiRNAやshRNAを購入する。線虫の重要遺伝子のマウスホモログ遺伝子の結合を確かめるために、当該マウスクローンDNAを理化学研究所などのDNAバンクから購入する。また子宮内胎児エレクトロポレーション実験を行うために、妊娠マウスを外部のブリーダーから購入する。ノックアウトマウスの作成において、CRISPRシステムを導入するためのベクタープラスミドを購入する予定である。
また、進捗の状況の発表のため、国内学会への出張費として使用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rab8a and Rab8b are essential for several apical transport pathways but insufficient for ciliogenesis2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sato, Tomohiko Iwano, Masataka Kunii, Shinji Matsuda, Rumiko Mizuguchi, Yongwook Jung, Haruo Hagiwara, Yoshihiro Yoshihara, Michisuke Yuzaki, Reiko Harada and Akihiro Harada
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 127 ページ: 422-431

    • DOI

      10.1242

    • 査読あり
  • [学会発表] Rab8a and Rab8b are essential for several apical transport pathways but insufficient for ciliogenesis2014

    • 著者名/発表者名
      岩野智彦
    • 学会等名
      日本解剖学会総会
    • 発表場所
      自治医科大学
    • 年月日
      20140327-20140327

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公開日: 2015-05-28  

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