• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

手根管症候群の滑膜組織変化における局所間葉系幹細胞の役割と性ホルモンの影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860144
研究機関札幌医科大学

研究代表者

千見寺 貴子  札幌医科大学, 医学部, 助教 (40452982)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード手根管症候群 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

特発性手根管症候群は、閉経後女性に多く最も頻度の高い絞扼性神経障害とされ、QOLを著しく障害する。本研究では、手根管症候群に認める結合組織の過剰な線維化が、ホルモンバランスの変化によって生じる局所の間葉系幹細胞 (Mesenchymal stem cell, MSC)の機能異常に起因するというコンセプトで実施する。目的は、手根管局所のMSCの分化能、増殖能、免疫制御能などMSCの形質を解析し、エストロゲンとの関連性を明らかにすることによって、本疾患の病態解明および新規治療法開発に繋げることである。平成26年度においては、手根管症候群の患者6名から採取した局所間葉系幹細胞を単離、培養し、FACSによる表面抗原(CD10, CD13, CD105, CD166, CD49a, CD90, CD44, CD147, CD73; CD14, CD45, CD34, CD117, CD62e, CD20, CD113, HLA-DR, CD68, CD31, ALP)、増殖能を検討した。また、さらに局所滑膜下結合組織に存在する間葉系幹細胞の分化能、およびMSC・培養上清から産生されるサイトカインなどを解析中である。また、採取した滑膜下結合組織における炎症性・線維性変化の形態学的解析、線維芽細胞マーカー、炎症性サイトカイン/ケモカイン、細胞外マトリックス、増殖因子およびエストロゲン, エストロゲンレセプターのタンパク発現および遺伝子発現を解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度においては、前年度に採取した滑膜下結合組織からコラゲナーゼ処置後に細胞培養し、単離した局所の間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem cells)の解析として、エストロゲンレセプターのタンパク、遺伝子解析、及び採取した組織から、炎症性・線維性変化の形態学的解析、線維芽細胞マーカー(α-smooth muscle actin、vimentin、S100A4)、炎症性サイトカイン/ケモカイン(Tumor Necrosis Factor-α:TNF-α、IL-1、IL-6、Interferon(INF)-γ、IL-18、IL-8、PGE2)、細胞外マトリックス(collagen I、III、VI、matrix metalloproteinase:MMP-2およびMMP-9、tissue inhibitor of metalloproteinase:TIMP)、増殖因子(TGFβ1、connective tissue growth factor:CTGF, vascular endothelial growth factor:VEGF)のタンパク発現及び遺伝子発現の解析を実施中である。しかし、前年度採取した6名の手根管症候群のうち、2名の滑膜下結合組織は培養条件の影響によりMSCの評価が困難であった。

今後の研究の推進方策

平成25年度、26年度に継続して、札幌医科大学附属病院にて外科的手術を必要とする患者10名の疾患群または、手根管症候群の既往がなく手関節外傷などにより外科的手術を必要とする患者6名を対照群として、滑膜下結合組織を採取し、間葉系幹細胞の単離及び培養を実施する。単離培養したMSCにおけるエストロゲンレセプターの発現をsiRNA法を用いて特異的にノックダウンする。siRNA配列の選択は、siRNA設計ウエブサーバのsiDirect2.0を用いて実施する。合成した2本のRNA(センス鎖とアンチセンス鎖)をアニーリングしたsiRNAをMSCに導入し、エストロゲンレセプターをノックダウンした場合のMSCの免疫制御能、分化能への影響を解析する。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度においては、計画に基づき手根管症候群の患者で外科的治療を必要とする患者6名から採取した滑膜下結合組織から間葉系幹細胞を単離し、エストロゲンレセプター(ER-a, ER-b)のタンパク発現及び遺伝子発現の解析を行ったが、当該研究費が交付される以前に購入した物品を優先的に使用したこと、当初予定よりサンプル数が少なかったため、必要物品が予定よりも少なくなった。

次年度使用額の使用計画

単離培養したMSCにおけるエストロゲンレセプターの発現をノックダウンするsiRNA法、MSCの分化能、免疫制御能、増殖能解析に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Transforming growth factor-β (TGF-β) expression is increased in the subsynovial connective tissue in a rabbit model of carpal tunnel syndrome.2014

    • 著者名/発表者名
      Chikenji T, Gingery A, Zhao C, Vanhees M, Moriya T, Reisdorf R, An KN, Amadio PC
    • 雑誌名

      Plos one

      巻: 30 ページ: e108312

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0108312

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi